再生可能エネルギーとは?メリット・デメリットをわかりやすく解説
世界中で注目を集めている再生可能エネルギー。再生可能エネルギーが注目を集める背景には、深刻な環境問題があります。この記事では、再生可能エネルギーのメリットや必要性に加え、日本で行われている取り組みを具体的に紹介します。
目次
再生可能エネルギーとは?
再生可能エネルギーとは、地球温暖化の原因となるCO2などの温室効果ガスを排出しない方法で発電できる電気です。再生可能エネルギーは、太陽や水などの身近にある自然の力を利用して、電気を作り出せます。
火力発電に必要となる化石燃料は、使用するときにCO2を排出します。さらに、化石燃料は限りある資源で、いつか底をついてしまうものです。対して、再生可能エネルギーは太陽光や風、水などを使用して発電できるので、設備さえあれば発電を続けられます。
再生可能エネルギーを作れる設備
再生可能エネルギーを作れる設備には、主に以下のようなものがあります。
- 太陽光発電
- 水力発電
- バイオマス発電
- 風力発電
- 地熱発電
とくに、太陽光発電は一般家庭でも導入できることから、世界中で注目を集めている発電方法です。太陽光発電以外の発電方法は、企業や発電施設などで活用されています。現在の技術では、太陽光発電以外の発電設備を一般家庭で導入するのは難しいのが現状です。
再生可能エネルギーが必要とされるワケ
私たちが火力発電やガソリンなどで使用している化石燃料は、使用するときにCO2を排出する限りある資源です。近年は、地球温暖化による気候変動などが問題になっていることもあり、世界的にCO2の削減に取り組もうという動きがあります。CO2を排出する火力発電に変わりとして必要とされているのが、再生可能エネルギーです。
2023年の日本では、全体の72.4%の電気が火力発電で作られています。地球温暖化の進行を止めるためにも、火力発電などのCO2を排出する発電方法から、CO2を排出しない再生可能エネルギーへの切り替えが重要だとされています。
また、日本は化石燃料があまり取れず、使用する天然ガスや石油のほとんどを輸入に頼っている国です。日本のエネルギー自給率は13.3%で、8割以上のエネルギーを輸入に頼っているのが現状です。エネルギーを輸入しているということは、輸入が不安定になると、エネルギーが不足してしまうということ。再生可能エネルギーを活用することで、環境にやさしい方法で電気を生み出すことができ、エネルギーの自給率も上げることができます。
再生可能エネルギーのメリットとデメリット
環境にやさしく、一般家庭でも発電できる再生可能エネルギーですがデメリットもあります。今後、再生可能エネルギーを普及させるためには、デメリットを最小限に抑えるための対策が必要だと言えるでしょう。
再生可能エネルギーのメリット
再生可能エネルギーのメリットは、CO2を排出しない点です。電気は、現代の私たちの生活になくてはならないものです。環境庁の調査によると、電気、ガス、灯油を合わせたエネルギー全体で、電気使用量によるCO2排出量は全体の65,3%と最も多いです。多くのCO2を排出している電気を、CO2を排出しない再生可能エネルギーに変えることで、地球温暖化の進行を止められます。
また、輸入に頼ることなく、日本国内で電気を作れる点も大きなメリットです。再生可能エネルギーの供給を安定して行えれば、海外からの輸入に頼ることなくエネルギーを自給自足できます。多く使用する電気を自給自足することで、海外に左右されない電気の供給が可能になる点も、日本にとって大きなメリットだと言えるでしょう。
再生可能エネルギーのデメリット
再生可能エネルギーは、太陽光や風、水などを使用して電気を作ります。しかし、太陽光などの自然の恵みは、毎日同じというわけではありません。自然の力を使って発電する再生可能エネルギーは、季節や環境によって発電量が左右されてしまう点がデメリットです。
太陽光発電であれば、太陽が出ている昼間は発電ができても、太陽が出ていない夜には発電できません。風力発電も、風が出ていなければ発電できず、水力発電も水の流れが止まれば発電できません。このように、動きが一定ではない自然を使って発電することで、日によって発電量を左右されてしまいます。
再生可能エネルギーを安定して使用するためには、電気をためることができる蓄電池の使用が必要不可欠です。また、発電量が不安定な再生可能エネルギーを安定して使用するためには、少ないエネルギーで生活する方法も実現しなければいけません。再生可能エネルギーを効率的に使用するためにも、蓄電池や省エネ住宅、省エネ家電などの活用が不可欠になるでしょう。
再生可能エネルギーは世界で必要とされるエネルギー
近年は、地球温暖化の進行を止めるために世界中でCO2を削減する動きが広まっています。電気を自給自足したい日本だけではなく、世界でも再生可能エネルギーを使用した生活を実現しようと、さまざまな取り組みが行われています。
日本政府が行っている取り組み
日本では、2030年度に温室効果ガスを2013年度に比べて46%削減することを目標に、再生可能エネルギーの普及を進めています。CO2を含む温室効果ガスを100%削減することを「脱炭素」といいます。2050年までに脱炭素を達成するために、日本政府はさまざまな政策をしています。
日本政府が行なっているのは、EVや省エネ住宅、蓄電池への補助金事業、企業への設備の補助などです。また、家庭などで発電した電気を通常よりも高く買い取る「FIT制度」も行なっています。FIT制度を利用することで、発電した電気を高く買い取り、設備導入の手助けをすることが狙いです。
さらに、東京都では脱炭素を達成するために、太陽光発電の義務化が始まります。東京都以外の都道府県や市町村でも、太陽光発電などの再生可能エネルギー設備の義務化や補助金事業が続々と開始されています。
企業も続々と再生可能エネルギーの活用を始めている
日本政府が再生可能エネルギーの活用を推奨しているにあたり、地球温暖化を抑制するために多くの企業が再生可能エネルギーの活用を始めています。この記事では、再生可能エネルギーを積極的に活用している企業として、イオングループとカインズの取り組みを紹介します。
全国各地にあるイオンでは、店舗や物流で排出するCO2をゼロにする取り組みを開始しています。店舗の屋上に太陽光発電を導入し、店舗内で使用する電力を再生可能エネルギーに移行し、CO2を削減するのが目的です。さらに、EVの充電ステーションを店舗駐車場に設置し、CO2を排出しないEVの普及にも貢献しています。
カインズでは、2023年6月末日時点で全店舗のうち、約25%のCO2排出量を実質ゼロにしました。カインズでは、店舗屋上に太陽光パネルを設置して再生可能エネルギーを活用しています。さらに、栃木壬生店では、屋上に太陽光発電を設置することに加え、バイオマス発電を行っている電力会社から電気を購入することで、再生可能エネルギー100%を達成しています。
まとめ
再生可能エネルギーは、日本でも多く活用されています。脱炭素を目指すなかで、今後も太陽光発電を含めた再生可能エネルギーの活用は、増えていくことが予想されています。今後、再生可能エネルギーに加え、再生可能エネルギーを有効活用できる蓄電池やEVも普及が進んでいくでしょう。
参考記事
再生可能エネルギーとは?メリット・デメリットをわかりやすく解説
世界中で注目を集めている再生可能エネルギー。再生可能エネルギーが注目を集める背景には、深刻な環境問題があります。この記事では、再生可能エネルギーのメリットや必要性に加え、日本で行われている取り組みを具体的に紹介します。
目次
再生可能エネルギーとは?
再生可能エネルギーとは、地球温暖化の原因となるCO2などの温室効果ガスを排出しない方法で発電できる電気です。再生可能エネルギーは、太陽や水などの身近にある自然の力を利用して、電気を作り出せます。
火力発電に必要となる化石燃料は、使用するときにCO2を排出します。さらに、化石燃料は限りある資源で、いつか底をついてしまうものです。対して、再生可能エネルギーは太陽光や風、水などを使用して発電できるので、設備さえあれば発電を続けられます。
再生可能エネルギーを作れる設備
再生可能エネルギーを作れる設備には、主に以下のようなものがあります。
- 太陽光発電
- 水力発電
- バイオマス発電
- 風力発電
- 地熱発電
とくに、太陽光発電は一般家庭でも導入できることから、世界中で注目を集めている発電方法です。太陽光発電以外の発電方法は、企業や発電施設などで活用されています。現在の技術では、太陽光発電以外の発電設備を一般家庭で導入するのは難しいのが現状です。
再生可能エネルギーが必要とされるワケ
私たちが火力発電やガソリンなどで使用している化石燃料は、使用するときにCO2を排出する限りある資源です。近年は、地球温暖化による気候変動などが問題になっていることもあり、世界的にCO2の削減に取り組もうという動きがあります。CO2を排出する火力発電に変わりとして必要とされているのが、再生可能エネルギーです。
2023年の日本では、全体の72.4%の電気が火力発電で作られています。地球温暖化の進行を止めるためにも、火力発電などのCO2を排出する発電方法から、CO2を排出しない再生可能エネルギーへの切り替えが重要だとされています。
また、日本は化石燃料があまり取れず、使用する天然ガスや石油のほとんどを輸入に頼っている国です。日本のエネルギー自給率は13.3%で、8割以上のエネルギーを輸入に頼っているのが現状です。エネルギーを輸入しているということは、輸入が不安定になると、エネルギーが不足してしまうということ。再生可能エネルギーを活用することで、環境にやさしい方法で電気を生み出すことができ、エネルギーの自給率も上げることができます。
再生可能エネルギーのメリットとデメリット
環境にやさしく、一般家庭でも発電できる再生可能エネルギーですがデメリットもあります。今後、再生可能エネルギーを普及させるためには、デメリットを最小限に抑えるための対策が必要だと言えるでしょう。
再生可能エネルギーのメリット
再生可能エネルギーのメリットは、CO2を排出しない点です。電気は、現代の私たちの生活になくてはならないものです。環境庁の調査によると、電気、ガス、灯油を合わせたエネルギー全体で、電気使用量によるCO2排出量は全体の65,3%と最も多いです。多くのCO2を排出している電気を、CO2を排出しない再生可能エネルギーに変えることで、地球温暖化の進行を止められます。
また、輸入に頼ることなく、日本国内で電気を作れる点も大きなメリットです。再生可能エネルギーの供給を安定して行えれば、海外からの輸入に頼ることなくエネルギーを自給自足できます。多く使用する電気を自給自足することで、海外に左右されない電気の供給が可能になる点も、日本にとって大きなメリットだと言えるでしょう。
再生可能エネルギーのデメリット
再生可能エネルギーは、太陽光や風、水などを使用して電気を作ります。しかし、太陽光などの自然の恵みは、毎日同じというわけではありません。自然の力を使って発電する再生可能エネルギーは、季節や環境によって発電量が左右されてしまう点がデメリットです。
太陽光発電であれば、太陽が出ている昼間は発電ができても、太陽が出ていない夜には発電できません。風力発電も、風が出ていなければ発電できず、水力発電も水の流れが止まれば発電できません。このように、動きが一定ではない自然を使って発電することで、日によって発電量を左右されてしまいます。
再生可能エネルギーを安定して使用するためには、電気をためることができる蓄電池の使用が必要不可欠です。また、発電量が不安定な再生可能エネルギーを安定して使用するためには、少ないエネルギーで生活する方法も実現しなければいけません。再生可能エネルギーを効率的に使用するためにも、蓄電池や省エネ住宅、省エネ家電などの活用が不可欠になるでしょう。
再生可能エネルギーは世界で必要とされるエネルギー
近年は、地球温暖化の進行を止めるために世界中でCO2を削減する動きが広まっています。電気を自給自足したい日本だけではなく、世界でも再生可能エネルギーを使用した生活を実現しようと、さまざまな取り組みが行われています。
日本政府が行っている取り組み
日本では、2030年度に温室効果ガスを2013年度に比べて46%削減することを目標に、再生可能エネルギーの普及を進めています。CO2を含む温室効果ガスを100%削減することを「脱炭素」といいます。2050年までに脱炭素を達成するために、日本政府はさまざまな政策をしています。
日本政府が行なっているのは、EVや省エネ住宅、蓄電池への補助金事業、企業への設備の補助などです。また、家庭などで発電した電気を通常よりも高く買い取る「FIT制度」も行なっています。FIT制度を利用することで、発電した電気を高く買い取り、設備導入の手助けをすることが狙いです。
さらに、東京都では脱炭素を達成するために、太陽光発電の義務化が始まります。東京都以外の都道府県や市町村でも、太陽光発電などの再生可能エネルギー設備の義務化や補助金事業が続々と開始されています。
企業も続々と再生可能エネルギーの活用を始めている
日本政府が再生可能エネルギーの活用を推奨しているにあたり、地球温暖化を抑制するために多くの企業が再生可能エネルギーの活用を始めています。この記事では、再生可能エネルギーを積極的に活用している企業として、イオングループとカインズの取り組みを紹介します。
全国各地にあるイオンでは、店舗や物流で排出するCO2をゼロにする取り組みを開始しています。店舗の屋上に太陽光発電を導入し、店舗内で使用する電力を再生可能エネルギーに移行し、CO2を削減するのが目的です。さらに、EVの充電ステーションを店舗駐車場に設置し、CO2を排出しないEVの普及にも貢献しています。
カインズでは、2023年6月末日時点で全店舗のうち、約25%のCO2排出量を実質ゼロにしました。カインズでは、店舗屋上に太陽光パネルを設置して再生可能エネルギーを活用しています。さらに、栃木壬生店では、屋上に太陽光発電を設置することに加え、バイオマス発電を行っている電力会社から電気を購入することで、再生可能エネルギー100%を達成しています。
まとめ
再生可能エネルギーは、日本でも多く活用されています。脱炭素を目指すなかで、今後も太陽光発電を含めた再生可能エネルギーの活用は、増えていくことが予想されています。今後、再生可能エネルギーに加え、再生可能エネルギーを有効活用できる蓄電池やEVも普及が進んでいくでしょう。
参考記事